名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「こんばんは、今、大丈夫かな?」
朝倉先生の柔らかい声が聞こえると、さっきまで将嗣の膝の上で大人しくしていた美優が「あー」と朝倉先生に向かって手を伸ばした。
その様子を見た将嗣がクシャっと笑って、美優を朝倉先生の腕に渡した。
少し驚いた様子の朝倉先生は美優を腕に抱くと、優しい瞳で命を愛しむように見つめた。
「お姫様は、ご機嫌だね。美優ちゃんが無事で良かった」
「朝倉さん、夏希の転院が5日後の土曜日に決まりました。転院先の病院は、市大病院です。夏希の入院期間中の美優のお世話の御助力をお願いします」
将嗣が、朝倉先生に向かって頭を下げた。
「園原さん、喜んでお世話させていただきますよ」
「朝倉先生、私からもお願いします」
「夏希さんも早く治してください」
と、優しい瞳がこちらを向いて、私は「はい」と返事をした。
そして、2人で美優のお世話のシフト決めが始まる。