名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
将嗣のお母さんに親権を取り上げる話をされた時にパニックになった私が、助けを求めたら仕事で忙しいのに戻って来てくれた朝倉先生。
 その後もきっと、今後のために色々考えてくれて私と美優のためにプロポーズをしてくれたんだ。

「夏希さん、前にも言いましたが、私は美優ちゃんが産まれた時から一緒にいるんです。美優ちゃんは、我が子同然ですよ」
 
 朝倉先生が優しく微笑んだ。全てを包み込むような優しい微笑み。
 その笑顔がとても好きだな。と思った。

 左手の薬指に嵌った指輪と花瓶に飾られたチェストの上のバラの花束。
 市民病院の白い病室が一気に華やいで幸せな気持ちになった。

「あの、指輪がピッタリで……。良くサイズがわかりましたね」
 
「ピッタリで良かった。先日、夏希さんの左手を触った時に確認したんですよ」

「んっ?」

 そう言えば、福島の病院でなんだかいやらしい触り方をされた……。
 えーっ! あんな触り方をしながら密かに指輪のサイズを確認していたなんて!? 
 ホントは、タラシ? 手練れ?

「翔也さんのエッチ!」

 あっかんべー! っと、舌を出した。
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