名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~

 将嗣は、力が抜けたようにフッと微笑んだ。
 柔らかな笑顔に引き寄せられたように、美優が手を伸ばすと、将嗣はそっと抱き上げ頬を寄せる。
 まるで宝物を包み込むように愛おしく抱き上げる様子に心が温かくなった。

 美優は、高い高いをしてもらい、キャッキャッとはしゃぎ、美優を見つめる将嗣の瞳は慈しみに満ちていた。

 たくさん泣いたけど、たくさんの笑顔もくれた。
 美優を授けてくれた大切な人。
 本当に大好きだったんだよ。

「将嗣……。ありがとう」

 将嗣は、クシャと微笑み。

「ああ」
 とだけ言って、再び美優を抱きしめた。
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