名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「そう、乳腺炎。母乳を長い時間あげないでいると乳腺が妊娠前の状態まで戻っちゃうのよ。でも母乳の生産は急に止まらないから乳汁うっ滞がおこちゃうの。後は、赤ちゃんに吸われて傷になってもなる場合があるのね。さあ、搾るわよ! はい、はい、さっさと脱いで! おっぱい出してね」

 腕まくりをしながら笑いかける滝沢さんの迫力に気圧された。
 優しいのに押しの強いコノ感じ、親戚のおばさんみたいだ。
 
 キツネにつままれたような気持ちで上半身裸になり、滝沢さんの指示で布団に横になるとバスタオルで上半身を包まれた。
 そして、タオルの隙間から左胸をむき出しにされ、声が掛かる。

「はい、始めるわよ。ウチは、母乳でがんばっているママさんの駆け込み寺、母乳マッサージの専門なの。これだけ張っているとちょっと最初は痛いかもね」

 と、左胸にホットタオルが乗せられ少しずつ圧が加わる。
 滝沢さんの手によって、もみほぐされ始めた。

「ああ、ココにがシコっているわね。チョット痛いわよ」

 グッッと押されると思わず痛みで「うっっ!」と声が上がる。手に力がはいり敷布団を掴んで握りしめた。

「痛いわよね。でも、酷くなると手術だから、それよりマシだと思って頑張って!」

 手術という言葉を聞いてゾッとした。美優を預けるにしたって、いとこは仕事しているから何日もお願いする事も出来ない。それぐらいなら揉まれて痛いのぐらい耐えてみせる。
< 82 / 274 >

この作品をシェア

pagetop