名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「少し顔色が良くなった」
朝倉先生は、ホッとした表情で私を見つめる。優しくて温かな瞳に私が映り、ずっと、その中に留まっていたくなる。
 
「朝倉先生ありがとうございました。美優の世話までして頂いてすいません」

「病人は遠慮しないで甘えていいんだよ」
 ふわりと柔らかい微笑みを浮かべた。

 尊い……。

「滝沢さん、急にお願いしてすいません。助かりました」
 
「朝倉さん家とは、長い付き合いですもの気にしないで、お姉さんたちのお子さんが大きくなってしまったけど、まだあなたが居たわね」

 滝沢さんが、大らかに笑いながら朝倉先生の肩をポンポンを叩いた。
「で、翔也さん、いつの間に結婚したの?」

 ぎゃー! ダメ! 今すぐにその余計な口を塞いでしまいたい。
  
「あの、結婚していません。朝倉先生とは、お仕事をご一緒させて頂いているんです」

 すると、滝沢さんが朝倉先生に向かって言う。

「なにやっているの! だめじゃない! 女手一つなんて大変なんだから サッサと観念して結婚しておしまいなさい」
 
 あちゃ~。やめて~。
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