若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
* * *
いつの間に連絡したのだろう、ホテルから外に出たところで黒い車が待っていた。カナトとマツリカの姿を認めて「こちらです」とスムーズに合図する運転手は、彼も護衛だと下船時に教えてくれた男性だった。常夏の島で厳めしい黒スーツを着ている彼からは近寄りがたい空気があるが、カナトは平然としている。
「おいで。車だと十分もかからないだろうから、すこしのんびり走ってもらおう」
徒歩でも三十分足らずで行くことが可能だというカイマナ・ビーチはダイヤモンドヘッドのふもと、国立カピオラニ公園の隣に位置している自然豊かな場所だという。観光客で混雑するワイキキビーチよりも東端で、市街の中心部から離れていることもありのんびりと過ごすことができるそうだ。
「砂浜に寝転んでもいいし、魚がたくさんいるから浅瀬でシュノーケリングをしてもいい。いまの季節なら夕陽も拝めるかな」
車に乗り込んだカナトはカイマナ・ビーチについて説明しながら、自分の膝のうえに乗せたマツリカの身体を撫でまわし、耳元に息を吹きかける。
「それよりこの、体勢、辛いです……っ」
いつの間に連絡したのだろう、ホテルから外に出たところで黒い車が待っていた。カナトとマツリカの姿を認めて「こちらです」とスムーズに合図する運転手は、彼も護衛だと下船時に教えてくれた男性だった。常夏の島で厳めしい黒スーツを着ている彼からは近寄りがたい空気があるが、カナトは平然としている。
「おいで。車だと十分もかからないだろうから、すこしのんびり走ってもらおう」
徒歩でも三十分足らずで行くことが可能だというカイマナ・ビーチはダイヤモンドヘッドのふもと、国立カピオラニ公園の隣に位置している自然豊かな場所だという。観光客で混雑するワイキキビーチよりも東端で、市街の中心部から離れていることもありのんびりと過ごすことができるそうだ。
「砂浜に寝転んでもいいし、魚がたくさんいるから浅瀬でシュノーケリングをしてもいい。いまの季節なら夕陽も拝めるかな」
車に乗り込んだカナトはカイマナ・ビーチについて説明しながら、自分の膝のうえに乗せたマツリカの身体を撫でまわし、耳元に息を吹きかける。
「それよりこの、体勢、辛いです……っ」