若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
 ワンピースのなかへ両腕を入れて、ブラジャーをずらしたカナトはすでに膨らんでいるふたつの胸の飾りをやさしく刺激する。白い双丘を揉みながら熟れたイチゴの実のように色づいているであろう蕾を摘みとる彼の指に翻弄されて、マツリカは羞恥で顔を真っ赤にする。

「その赤い唇も美味しそうだね」
「――ンッ」

 胸を可愛がりながらマツリカの唇を奪ったカナトは、満足そうに彼女の拘束をほどく。彼の腕から逃れることが叶ったマツリカだったが、初な彼女は彼にされた余韻で体勢を崩してしまう。

「きゃ」
「だいじょうぶ? もうすぐ目的地に到着するけど」

 カナトのおおきな腕に抱き止められて、身体の奥で燻っていた熾火がざわめきはじめる。逃げたいのに逃げられない。このままもっと気持ちいいことを施されたら、どうなってしまうのだろう……
 マツリカはお酒の効果もあいまってふわふわした状態で彼と向き合って、表情を覗きこむ。青みがかった黒い瞳を潤ませながら見つめてくる彼女に、カナトは思わずごくりと喉を鳴らす。

 ――いけない、いまは、まだ。
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