若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
「世の中にそんなにたくさん海運王の息子がいたらたまったもんじゃないよ」

 マツリカの肩を抱いていた彼の手がしゅるりと下へおりていく。水着越しに胸元のラインをくすぐられて、思わず甘い声をあげるマツリカを見つめながら、彼は容赦なく肩紐を落として、隠れていたふたつの果実を外へ出す。まろびでた乳房を両手で抱え込んで、プールのなかで揉みこめば、信じられないとマツリカが顔を真っ赤にしながら声をあげる。

「ンっ、カナト……ここ外ッ」
「俺とマツリカだけのプライベートプールだよ。誰も邪魔しない」
「で、でもぉ」
「ぜんぶ思い出してくれるまでこの手は止めないから」
「そんなっ……アンっ、ダメぇ」
「身体は嫌がってないよ」

 容赦なく指先で尖端を捻り、紅色に膨らませたカナトは、そのまま顔を寄せてちろちろと舌で敏感な場所をくすぐっていく。プールにはいった状態で水着を半分脱がされたマツリカは、甘い刺激に翻弄されながら、幼い頃の記憶を掘り起こしていく。海運王の息子と交わした約束は、なんだっけ……?
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