義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した【中編】
 私はギリギリのところで、ゆきちゃんと同じ大学に受かったし、和樹も地元で一番賢い高校に受かった。
 ……和樹、頭よかったんだね。
「なんか、勉強のコツっていうか、記憶するコツみたいなのが前世の記憶にあってさ、やってみたら勉強が楽になった」
 とか、受験終わった後で言うな!
「和樹ぃ~!なんで私にも教えてくれなかったのよ!ぬぅーっ!」
「いいじゃん。姉ちゃんの頭なら自宅から通えるところでいくつも進学希望の大学あっただろ」
「えー、でも、もしもっと成績上がったら、東大とか狙えたかもしれないのにっ!」
 おっと、大風呂敷広げちゃったな。
 いくら勉強のコツをつかんだからって、地頭のこと考えると、さすがに東大は無理だよな。
「だよな。俺も前世思い出したら東大くらい簡単だって思ったくらいだから」
 は?
 え?
「でも、自宅から通うのは簡単じゃないだろ?」
 あ、うん。そうだね。通学に2時間以上かかるから、一人暮らしか寮暮らしとかになったかな?
 じゃなくて、待って!
「和樹、東大くらい簡単って、進学校に合格したからって、さすがに調子乗りすぎてない?進学校は周りの子も賢い子ばかりだから、油断してるとすぐに成績下のほうになるって話だよ?」
 和樹がふっと笑う。
「姉ちゃんこそ、大学入ったからって、遊びすぎてると資格取れないぞ」
 はい、そうですね。人に忠告してる場合じゃないですよ。私のほうこそギリギリで合格なんだから……ん?

 大学生活は順調だった。学部こそ違えどゆきちゃんと同じ大学なので、ランチとか一緒にしてる。
 学部内に友達もできたし、念願の異世界同好会にも入会することができました!
 漫画、小説、映画、ドラマにゲーム。それから、自ら考えだした異世界の世界についていろいろ話をする会。

■11

 同好会にはちゃんと部室がある。
 6畳ほどのプレハブ小屋。あ、プレハブだからちゃんとっていうよりは一応なのかな。
 隣の隣には爬虫類同好会の部室がある。ドアには「扉の開閉注意」の文字。なぜだろうね?
 蛇が逃げるから?爬虫類同好会には当然ゆきちゃんが所属している。
 そういえばゆきちゃんが言うには、蛇が時々水槽から逃げ出しちゃうんだって。
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