義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した【中編】
「ううん、結梨ちゃん。ずっと隠しているわけにはいかないし、ちょうどいい機会だったんだわ」
おばあちゃんが立ち上がった。
「おばあちゃん?」
「私が、話してこようね。今はきっと、結梨ちゃんの顔もお母さんの顔も見るのがつらいだろうからね」
そうして、おばあちゃんが和樹に家族の話を教えてくれた。
私を生むと同時に亡くなった私の母のこと。
私が3歳になったころ、父さんの親友がなくなったこと。
母さんは、父さんの親友の奥さんで、お腹に和樹がいたこと。父の親友も母さんも頼れる親族が誰一人いなかったこと。
さらに悪いことに、父の親友は社宅に住んでいた。
亡くなってしまったため母さんは身重の体で社宅を出なければならず、見るに見かねた父が家に呼んだ。
3歳の私の面倒を見ていたおばあちゃんが、もう一人孫が生まれるんだねと、母さんと和樹を快く受け入れた。
和樹が10歳になったときに、父さんと母さんが結婚したこと。
おばあちゃんが帰ってからも和樹は部屋から出てこなかった。
それから、和樹は1週間、学校へ行く以外は自室にこもりっきりだった。ご飯も部屋で食べていた。
1週間たってからは、またいつもの和樹に戻った。
母さんにくそばばぁと言う反抗期和樹に。
父さんとは他人行儀になるかと思ったが、冬休みに一緒にスキーに行ったらもとに戻っていた。
それなのに……。
……なぜか、私だけ半年も口をきいてくれなかった。
えーん。
■5
まぁ、そんなことでね。
半年前、自分が父さんの子じゃないって知って、表面上はもとに戻ったように見えたけれど……。
実は、家を出たいと思っているんじゃないかって……。
自分は異世界の人間、つまり、日本の、うちの和樹じゃないっていう話はさ……。
異世界に帰りたいとか、この家から出たいみたいな気持ちの表れなんじゃないかなって思って。
……尋ねてみたものの、もし、異世界に帰りたいって言われたらどうしよう。
もし、この家が出たい原因が、私だというなら……。
家から通える大学へ進学するのはやめよう。
私が家を出れば和樹がこの家にいてくれるなら、遠くの大学へ進学しよう。
「まさか。姉ちゃん聞いてなかったの?」
え?
「聞いてなかったって、何を?」
おばあちゃんが立ち上がった。
「おばあちゃん?」
「私が、話してこようね。今はきっと、結梨ちゃんの顔もお母さんの顔も見るのがつらいだろうからね」
そうして、おばあちゃんが和樹に家族の話を教えてくれた。
私を生むと同時に亡くなった私の母のこと。
私が3歳になったころ、父さんの親友がなくなったこと。
母さんは、父さんの親友の奥さんで、お腹に和樹がいたこと。父の親友も母さんも頼れる親族が誰一人いなかったこと。
さらに悪いことに、父の親友は社宅に住んでいた。
亡くなってしまったため母さんは身重の体で社宅を出なければならず、見るに見かねた父が家に呼んだ。
3歳の私の面倒を見ていたおばあちゃんが、もう一人孫が生まれるんだねと、母さんと和樹を快く受け入れた。
和樹が10歳になったときに、父さんと母さんが結婚したこと。
おばあちゃんが帰ってからも和樹は部屋から出てこなかった。
それから、和樹は1週間、学校へ行く以外は自室にこもりっきりだった。ご飯も部屋で食べていた。
1週間たってからは、またいつもの和樹に戻った。
母さんにくそばばぁと言う反抗期和樹に。
父さんとは他人行儀になるかと思ったが、冬休みに一緒にスキーに行ったらもとに戻っていた。
それなのに……。
……なぜか、私だけ半年も口をきいてくれなかった。
えーん。
■5
まぁ、そんなことでね。
半年前、自分が父さんの子じゃないって知って、表面上はもとに戻ったように見えたけれど……。
実は、家を出たいと思っているんじゃないかって……。
自分は異世界の人間、つまり、日本の、うちの和樹じゃないっていう話はさ……。
異世界に帰りたいとか、この家から出たいみたいな気持ちの表れなんじゃないかなって思って。
……尋ねてみたものの、もし、異世界に帰りたいって言われたらどうしよう。
もし、この家が出たい原因が、私だというなら……。
家から通える大学へ進学するのはやめよう。
私が家を出れば和樹がこの家にいてくれるなら、遠くの大学へ進学しよう。
「まさか。姉ちゃん聞いてなかったの?」
え?
「聞いてなかったって、何を?」