極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
繭も今夜ばかりはちょっとだけ意気込んでいた。いつもより大人っぽい黒のワンピースにツイードのジャケット。お気に入りのブランドのブローチをつけたその胸に、ひそかな野望を抱いている。
(最後だもの。できたら、高坂先生とおはようございます以上の会話を!)
広いパーティー会場は大勢の人であふれていた。ミリガン&ジェイは弁護士だけで四百人以上、繭たちのようなスタッフも合わせると一千人近くの人間が働く大規模ファームだ。
繭は美智子に断りを入れてから、人混みをかき分けて中央に進む。中央の長テーブルにはビュッフェ形式の食事が並べられている。オマールエビに和牛ステーキと豪華なメニューが繭の気をひこうとするが、それらの誘惑を振り切って繭は目当ての人物を捜す。
「あっ、いた」
前方の人だかりの中央に樹の姿を発見する。彼はいつだって人目をひきつけるオーラを放っているので見つけることはたやすいが、近づくのは至難のわざだった。彼を取り囲むのは、事務所の経営陣であるパートナー弁護士たち。そして、美貌自慢の女性スタッフ。繭の入る隙間など一ミリもなさそうだ。繭はがくりと肩を落とす。
(まぁね。わかってはいたけどさ)
(最後だもの。できたら、高坂先生とおはようございます以上の会話を!)
広いパーティー会場は大勢の人であふれていた。ミリガン&ジェイは弁護士だけで四百人以上、繭たちのようなスタッフも合わせると一千人近くの人間が働く大規模ファームだ。
繭は美智子に断りを入れてから、人混みをかき分けて中央に進む。中央の長テーブルにはビュッフェ形式の食事が並べられている。オマールエビに和牛ステーキと豪華なメニューが繭の気をひこうとするが、それらの誘惑を振り切って繭は目当ての人物を捜す。
「あっ、いた」
前方の人だかりの中央に樹の姿を発見する。彼はいつだって人目をひきつけるオーラを放っているので見つけることはたやすいが、近づくのは至難のわざだった。彼を取り囲むのは、事務所の経営陣であるパートナー弁護士たち。そして、美貌自慢の女性スタッフ。繭の入る隙間など一ミリもなさそうだ。繭はがくりと肩を落とす。
(まぁね。わかってはいたけどさ)