極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
「では、ホテルの宿泊費とクリーニング代、それとスーツは弁償させてください」
樹は軽く目を見開いて繭を見つめる。にやりと小悪魔めいた笑みを浮かべて言う。
「簡単に言うけど、その総額がいくらになるか、あんたわかってるか?」
「え、えっと」
繭は思考を巡らす。このシティホテルの部屋代は少なめに見積もっても数万円といったところか、シャツのクリーニングは一万円もしないはず。問題、というより予想がつかないのが彼のスーツだ。高給取りのエリート弁護士がいくらくらいのスーツを着ているのかなんて繭は知らない。樹はどこか楽しげに口元を緩める。
「これフルオーダーなんだよなぁ」
「じゅ、十万円……はしますよね?」
繭は焦り出した。正規雇用にしてもらってまだ二年目の新米だ。自慢じゃないが貯金額は寂しいもの。
「残念。その四倍」
「よ、四十万?」
でも、きっと嘘ではないのだろう。近くで見れば、量販店で買った繭のリクルートスーツとは物が違うのがはっきりわかる。開いた口が塞がらない状態の繭に樹はどこまでも非情だった。
「分割払いでもいいけど、俺は明日の夜には空の上だしな」
ふいに樹が繭の腰に腕を回し、ぐいと強く引き寄せた。樹の香水だろうか、ライムのような爽やかでほろ苦い香りが繭の鼻をくすぐる。艶めいた瞳がじっと繭を見据える。
樹は軽く目を見開いて繭を見つめる。にやりと小悪魔めいた笑みを浮かべて言う。
「簡単に言うけど、その総額がいくらになるか、あんたわかってるか?」
「え、えっと」
繭は思考を巡らす。このシティホテルの部屋代は少なめに見積もっても数万円といったところか、シャツのクリーニングは一万円もしないはず。問題、というより予想がつかないのが彼のスーツだ。高給取りのエリート弁護士がいくらくらいのスーツを着ているのかなんて繭は知らない。樹はどこか楽しげに口元を緩める。
「これフルオーダーなんだよなぁ」
「じゅ、十万円……はしますよね?」
繭は焦り出した。正規雇用にしてもらってまだ二年目の新米だ。自慢じゃないが貯金額は寂しいもの。
「残念。その四倍」
「よ、四十万?」
でも、きっと嘘ではないのだろう。近くで見れば、量販店で買った繭のリクルートスーツとは物が違うのがはっきりわかる。開いた口が塞がらない状態の繭に樹はどこまでも非情だった。
「分割払いでもいいけど、俺は明日の夜には空の上だしな」
ふいに樹が繭の腰に腕を回し、ぐいと強く引き寄せた。樹の香水だろうか、ライムのような爽やかでほろ苦い香りが繭の鼻をくすぐる。艶めいた瞳がじっと繭を見据える。