極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
「あんたじゃなくて、こいつにな」
「わ、私にだなんて思ってませんから」

 繭は真っ赤に染まった顔を慌ててぱっと背ける。旬太に会いたいと言われるのも、それはそれで複雑なのだ。

(高坂先生に深入りしちゃダメだ。バレたら大変なことになる……)

 自身の心の奥底にある切ない感情に無理やり蓋をして、繭は樹と完全に縁を切ることを決意した。しかし、「よしっ」と膝を叩いた樹は、繭の思惑とは真逆の提案をする。

「しばらく俺のうちで暮らせ」

 なにを言われたのか理解できず、繭は固まる。が、樹のほうはどうも本気のようだ。

「自宅が特定されてるのはかなりマズい。一軒家はどうしてもセキュリティ面に不安があるしな」

 繭は焦って、彼の言葉を否定する。

「いやいや……高坂先生にそこまでご迷惑をおかけするわけには! しばらく実家に身を寄せるとか、なにか対策を考えますので」

(そもそも高坂先生と暮らすなんて無理だから!)
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