彼と私のお伽噺
一瞬考えて、慌てて逃げ出そうとした私の身体を、昴生さんが両腕でがっちりとホールドする。
「逃がすかよ。お前はもう、俺のものだからな」
そんなこんなで、私はTKMグループの御曹司様に強制的に囚われてしまった。
祖母の葬儀後、昴生さんの手配で即日彼のマンションへと引っ越した私は、そこから五年間、約束どおり彼に養ってもらい、大学まで行かせてもらった。
その見返りとして、料理、洗濯、掃除など、昴生さんのそばで奉仕することを条件に。
子どもの頃に私を助けてくれた人は、大人になってもとんでもないオレ様王子だった。
そしてそれは、強引に婚姻届を突きつけてきている今もやっぱり変わらない。