魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 と、謎尻尾肉改め鰹節もどきをどんどんと花かつおもどきにしていく。
『あ、いいな、それ、いいなぁ、それ、いいなぁ、いいなぁっ!』
 皆でもぐもぐ食べていると、後ろでキャンディーのように鰹節もどきをぺろぺろ舐めていたディラがうらやましそうに眺めている。
 ……そういえば、おさがりを花かつおもどきにしたんだっけ。お供えしたのはその前。
 ……しかし、そうして、硬い鰹節もどきをなめたり噛んだりしてる姿……。
 犬が骨型のおやつをがじがじ噛んでいる姿を想像しちゃって……。
 ふ、ふふふ。
「ディラ、かわいい」
『へ?え?ユキに褒められた?いや、子ども扱い?え?いや、ユキ、どういう意味?』
 きょとんと眼を丸くするディラ。


 と、言う感じであっという間に2週間が過ぎた。
 道を作りながら森に入り、マナナの実を採取し、皆でワインもどき……えーっと、魔力回復薬を作る日々。
 モモちゃんはさすがにちょっと飽きちゃったみたいだけれど、ドンタくんはいまだに実をつぶす作業は大喜びでやっている。……まぁ、時々つまみ食いするのが好きといえば、そうなのかも。
 ミーニャちゃんも頑張ってくれてるし、おばばさんも疲れない程度に手伝ってくれている。
 初めに見つけたマナナの木の近くにあった6本の木からの収穫が終わった後は私とネウス君も実の加工作業に加わる。
 で、ディラの仕事はモモちゃんの見張り。
 モモちゃんが一人で森の中に入ろうとしたり、何か危険なことをしようとしてたら私に教えるのがディラの役割。
 ……うん、いや、私たちみんなで頑張ってマナナつぶしたり、つぶした液体を樽に詰めたりと働いているでしょう。
『僕にも手伝わせてくれ!僕一人が何もしないなんて……』
 と、申し訳なさそうな顔をしてるから。
「手伝う?どうやって?」
 ……と、尋ねると、うーんと少し考えて、ひらめいたとばかりににこっと笑った。
『僕を踏みつけてくれ!』
 ……言っている意味がわからない。
『ほ、ほら、小さな足で踏むよりも、剣を実の上に置いて踏んでいった方が、面積が大きくなる分、いっぱいつぶれる?』
 ……なんていうかさ。
 とっても残念な気持ちになった私を、皆は理解してくれるだろうか。黙っていると、ディラが続ける。
『僕は、ユキに踏まれるのは構わないよ……いくらだって踏んでいいよ。いや、むしろ踏んでくれ!』
< 102 / 132 >

この作品をシェア

pagetop