魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 小さなころは、霊が見えてる私……を、単に子供の空想だと受け止めてもらえていたころは、両親も抱きしめてくれていた。
 それが、霊が見えてると分かったころには……。次第にはれ物を扱うように接するようになり……。
 抱きしめてほしかったのかもしれない。平気だと思っていた小さなころの私。
 だって、こんなに抱きしめると幸せな気持ちになるんだもん。
「ミーニャちゃんいい子。ふふ、かわいい私の天使」
 私が小さなころに欲しかったものを、全部この子たちにあげよう。魔力がないというだけで、悲しい思いなんてさせない。
 ミーニャちゃんをぎゅっとしてるのを、今度はネウス君がうらやましそうに見ている。
 うん、よし、お姉ちゃんの胸に飛び込んでおいで。
 ミーニャちゃんの次にネウス君に向かって両手を広げて見せた。
 ネウス君はあれほどうらやましそうに見ていたのに、動かない。
 あれかな。もう俺はそんな子供じゃないという……そういうやつかな。
 いや、その後ろで、こちらに向かって走ってきては、剣に引き戻されびよーんってなって、また走ってきてびよーん……ゴム紐使ったお笑い芸人のゲームか!って状態の「大人」が見える……のは、見なかったことにしよう。うん。
『何をしておるんじゃ、早く行こう、早く、早く、早く、早くっ』
 と、幼稚園児のようなことを言い続けている大人……もいましたね。
「じゃぁ、行ってくるね!」

 ディラは置いて、ノームおじいちゃんと二人で洞窟に向かう。
『どうじゃ。しっかり土は歩きやすいようにしておいたぞ。それから、新しくマナナの木も見つけたのじゃ。歩いて10分くらいの場所じゃったからな、新しく道も作っておいたのじゃ』
 どうやら、2週間の間にノームおじいちゃんはいろいろ欲望を満たすための行動をしていたらしい。どんだけたくさん魔力回復薬飲むつもりなんだろう……。
「ありがとうございます。でも、あまりたくさん道を作ると、迷子になって戻ってこれないと困るので、少しずつでいいですよ」
『ふむ、迷子か?動物でも家には迷わず帰れるというのに、人間は不便な生き物じゃのぉ』
 帰巣本能がありますもんね、動物には……。
『よし、じゃぁ、目印をつけておいてやろう。ほほいのほーいと。どうじゃ、道に色分けしてやったぞ』
 うわ。
「道が、青くなった……って、これ、まさか……」
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