魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
「い、いいのか?この女がどうなっても?このまま魔力をずっと奪われ続けるのだぞ?助けたいと思わないのか?」
 きららが私を見た。
「ユキお姉さん、ずるいっ!」
 ずるい?
「なんで、そんなにいい男と一緒なの?ねぇ、そこの人、ユキお姉さんより、私の方がかわいいし、こっちへ来て」
 きららは、私に助けてなんて言わないとは思ったけれど。
 まさか、ネウス君に目をつけるとは……。うん、なんだかんだいって、そんなに不幸じゃないんじゃない?
「怖い!女の人、怖い!」
 ネウス君が私の背中に隠れた。
 へ?
 女の人怖い?
「ユキ、帰ろう。もう、用事済んだよね?」
 ネウス君が私を抱き上げて、街に背を向け猛ダッシュ。
 ちょ、ちょ、まって、どういうこと?なんで?
「待ちなさいよ!ユキ姉さんのくせに、お姫様抱っこされるとかありえないわ!」
 キーキーとうるさい声が遠ざかっていく。
『ん?追いかけてきたぞ?』
 ノームさんの言葉に街の方を見る。
 ああ、いいんですかね?封印の外に人たちが大量に飛び出してきてますけど。
 いったん封印を解除してもとに戻すとか言ったのかな。
「ノームさん、何とかならない?、関わりたくないの。あ、殺さないでね」
『お安い御用じゃ。魔力回復薬を守るためならなんじゃってするぞーい。ほほーい』
 あ、すごい。
 どどどーんと、20mはあろうかという壁が立ち上がり、街の周りをぐるりと囲ってしまった……。
『ワシの加護がある者は通過できるからの。問題ないぞ』
『爪が甘いね、年寄はこれだから。壁の上を通れる魔法使いくらいいるでしょ。お嬢ちゃん、見ていて。それ」
 えーっと、サラマンダーチャラお兄さんが、壁の上に1m間隔くらいで炎をともした。
『通過しようとすると炎に包まれるようにしておいたよ』
 壁の向こうから、声が聞こえてくる。
「これは俺のだ!」
「よこせ、私が先に手にしたんだ」
 ……何やってんだろうね。もしかして置いて来た魔力回復薬の奪い合い?
 まあいっか。もう、関係ない。完全に縁を切りました。

 何も期待しない。
 私たちは私たちで何とかする。
『おお、このあたりの大地の力を戻しておこうかの。あの街の魔法使いがこのあたりの大地の力を根こそぎ畑にと奪っていっておったが。壁をあやつらの魔法が通過することはない。このあたりの大地は甦るじゃろう』
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