魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 顔がいいだけじゃない。スタイルがいいだけじゃない。子供たちを思う優しさもあって、こうして女性に対しても気をつかえる。
 ディラが青い顔をする。
『女は……怖い……』
 ぶるぶる震えだした。
 ……何があったんだ。……モテすぎるというのも苦労するという話は聞いたことがあるが……。
 っていうか、ちょっと待って。
 私だって、女なんですけどね?

「ディラ、私は怖くないの?」
 ディラがきょとんとした表情を見せる。
『なんで?顔に変なのしてても怖くないよ?』
 顔に変なのって、眼鏡のことですかね?
 いや、眼鏡のことを聞いているんじゃなくて。
『ユキ大好きだよ。怖いわけないじゃない。とういうか、こんなに好きな気持ちをどうしたら伝わるんだろう』
 ……キラキラと、女性の心を一瞬でとらえるような笑顔を見せてディラが笑う。
 ……好きだと言われてもねぇ。
 女は怖い。私のことは怖くない。
 そこから導き出せる答えは1つ!
 まったく、女として見られてない……。はい。出た!答え、出た!地味に、傷つく答え、出た。いや、まぁいいんだけど。
 っていうか、それで大好きって……インプリンティング、刷りこみ現象、なんていうか、300年ぶりにはじめて会話した人間に懐いたてきな、あれですかねぇ……。そ、それとも、幽霊らしく執着系なの?……ぶるるっ。
『ユキは?』
 ディラが不安そうな顔をして私を見る。
 は?私は?ディラを男として見てるかってこと?……なんて聞くわけないか。
 幽霊だし。
 ……ちょっとぶるぶるってしちゃったから、怖がってるか心配したのかな?
「怖くないよ」
 幽霊だけど、ディラは怖くない。怖い幽霊を散々見てきたんだから、幽霊っていうだけで無条件に怖がるようなことはしない。
『そ、そうじゃなくて、ユキは……』
 ディラが何か言おうとしたところで、呼ぶ声が聞こえてきた。
「ユキィー!朝ごはんだって!」
 ネウスが駆け寄ってきた。
 ああ、よかった。ネウス君、起きられたんだね。
「大丈夫?いつもより起きるのが遅いらしいけれど……」
 ネウス君が息も乱さず私の目の前まで来ると、私の手から剣を何も言わずに受け取る。
「うん、大丈夫だ。なんか、ちょっと体中が痛いけど……」
 って、全然大丈夫じゃないっ。
 ディラがしまったって顔してる。やっぱりディラ、あんたのせいねっ。
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