魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
「俺、寝相が悪いからたぶんあちこちにぶつけたんだと思う」
 にこっと笑って恥ずかしそうに頭を書くネウス君。……う、ごめん。本当はうちのディラが原因……って、うちのじゃない。
 ディラはうちの子じゃないからっ。うちの幽霊がご迷惑を……とか聞いたことないからっ!
『いや、たぶん筋肉痛……』
 ぼそりとディラがつぶやく。
 は?やっぱり金縛りにでも合わせたのね!抵抗して全身で体を動かそうと頑張った結果、全身筋肉痛……ってことか……?
 申し訳ない……。
「ユキは、俺の心配してくれるんだ。俺が、ユキのものだから?」
 ネウス君が嬉しそうな表情を見せる。
「だから、ネウス君は私のものじゃないよ。昨日、決めたの。ネウス君はモモちゃんやドンタ君やミーニャちゃんを妹や弟だと言ったでしょう?この村はみんな家族みたいなものなんでしょう?だから、私も入れてほしい。私を、ネウス君のお姉ちゃんにしてもらえないかな?」
 ネウス君が言葉を失っている。
「弟のことを心配するのは当たり前だし、弟や妹を助けるのも当たり前でしょ?だから、えーっとそういうことね?」
 ネウス君が下を向いた。
「……俺……ユキのものでいたい」

「ネウスは、私のものじゃなくて、私の弟。ね?大切な弟になるの」
 ネウス君がぱっと顔を上げる。
「大切?」
「そう。だから、ネウス君も私のこと大切に思ってくれると嬉しいな?」
 と、ちょっと強引にみんなの輪に入ろうと話を進める。さすがに……昨日今日あった人間を姉認定なんて無理かな。もうちょっと時間をかけるべきか。
「も、もちろん、ユキは大切だ。俺は、ユキのこと、大切にするっ!」
 よかった
「あ、ユキお姉ちゃん、ネウスお兄ちゃん、ここにいたの?あ、精霊様もご飯どうぞ……えーっと」
「お供えいたしますだったよな」
 ミーニャちゃんの後ろからドンタ君が顔を出した。
 こくんと頷いて見せると、ミーニャちゃんたちは剣の前に朝食を置いた。
 子供の量の、しかもとても豊かとはいえな食事とはいえ、6人前……は、さすがに。
 と思ったけれど、ディラは果敢に完食に向けてチャレンジを始めた。
「うぐぐー、この水まずい~。木の皮を煮たのも苦い~固い~蟻が酸っぱい~」
 う。まずいのは仕方がない。木の皮が堅くて苦いのも、我慢できると思う……。
 えーっと、あ、蟻?
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