魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 なんか汁にはいった、ゴマみたいな黒いつぶt……。
 うひー、無理、無理、いや、でも、文句ひとつ言わずに子供たちが食べてる。
 この小さい子たちが生きていくために、必死に蟻を捕まえてるんだよね。ぐすん。
 ダメだ。
 嫌だ。
 無理だ……なんて、私が言う権利ある?何も食べる物準備してないんだよ?
 準備してもらって、これは嫌いだから食べないとか、こんなもの食べられないとか言う権利ある?
 有るわけ、ない。
「では、お下がりをいただきます」
 と言うとディラに手を合わせてから食事を始める。
 ……パンを食べさせてあげたいというおばばの言葉を急に思い出した。
 おばばは食べたことがあるのだろう。そうして、食べたことのない子供たちに……パンを一度でも食べさせてあげたいと……。
 眼鏡をはずして、ご飯を食べる。見なきゃいい。黒い粒粒が見えるからダメなんだ。
 木の皮は、そう、ゴボウみたいだ。日本人にはなれた触感。大丈夫。苦みもゴーヤだと思えばなんてことない。
 粒粒の酸っぱさは……ぐっ。こ、これはイチゴの粒。イチゴの酸味……。
 一気に流し込む。それからすぐに木の樹液をごくごくと飲んで口の中から粒を追い出す。
「ご、ごちそうさま……」
 やり切った。頑張った。引きつる笑顔で何とか笑う。
「そんなに勢いよく食べて、お腹すいてるのか?もっと食うか?」
 ネウス君が心配そうに自分の器を差し出してきた。

「う、ううん、大丈夫だよ、あの、片付けは手伝うね!」
 慌てて器を持って立ち上がる。
 子供たちを見ると、器に樹液を入れてくるくると回して飲んでいる。それから残った樹液を飲む。
 ああ、そうか!水がないから、器もああしてきれいにして太陽の光でも当てて使っているんだ。
 洗うなんていうことが贅沢で……。片付けなんて、食事を作る場所に持って行くか太陽が当たるように並べるかくらいしかないんだ。
 目頭が熱くなった。魔力がゼロで役立たずだと言われても、こんな気持ちにならなかった。
 悔しい。情けない。
 私は、今、本当に役立たずだ。
 ううん、違う。違う。役立たずじゃない。彼らの知っていることを私が知らないだけ。逆に、私が知っていることを彼らは知らない。役に立てるように考えよう。
 例えば、水だ。
 川や湖など森の中にないのだろうか。
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