魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 そうか、靴を履いていないんだ。ああ、ネウス君だけじゃない。子供たちはみな裸足だ。裸足で森の中を歩ければ、怪我もする。危険だという言葉……魔法が使えないから危険だと思い込んでいるんだと、勝手に思い込んでいたけれど。
 裸足で森の中を歩き回る危険。怪我をする危険。破傷風などちょっとした怪我が原因で死にいたる危険……。帰ってこられないとか獣に襲われるとかそればかりじゃない危険もある。
 ……魔法が使えないから危険だと思い込んでいるなんてダメだねなんて、ある意味上から目線で考えてた。なんて馬鹿なことを……。
 本当に「危険」なんだ。
 木靴……靴の形でなくていい。下駄でもなんでも、足を守る何かがいる。大型の動物が取れれば皮も利用できるようになるだろうか。
「怪我を直す薬」
 収納鞄に何かないかとアバウトに命じて手を入れたら何か出てきた。
 軟膏のようなものが入った入れ物だ。少し出してネウス君の怪我に塗ると、怪我はあっという間に消えた。
「うわー、これもまた、なんかきっとすごいやつっぽい……」
 収納鞄というよりも、もはや四次元ポケットみたいだなぁ。
「すごい、ユキ……」
「ああ、これ、えーっと、精霊の加護のある薬だから、えーっと」
 こんなすごいものはそうそう存在しないということも教えておかないと。魔法じゃないすごいものが普通にいっぱいあると思われても困る。

「そうか、精霊様……お礼を言わないとな」
 はい。お礼を言ってください。
「靴とか入ってないかな足を怪我しないためにする」
 と、収納鞄に手を入れると、靴が出てきた。
 くるぶしまであるショートブーツのような形の靴。色はこげ茶。皮で作ってあるのかな?靴底の部分は4重になっている。
 そういえば、昔見たアニメで、無人島に漂着しちゃった家族がゴムの木で靴を作ってたなぁ。あの時はゴムの木があるんだとか靴が作れるんだと、そちらに意識が向いたけれど。今なら違う。必要な物の上位だったんだ。靴って。だから、作った。
「これはいて、ネウス君。また怪我をするといけないから」
「え?」
 もしかするとずっと裸足で生活していた人にとっては靴は窮屈で不便に思うかもしれない。
「森に入る時は靴を履いて。他の子たちにもそうしてもらわないと」
 子供サイズの靴も収納鞄に入ってるかな。なければあるもので作る工夫をしないと。
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