魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 というか、収納鞄からいつまでも出せるわけじゃない。誰にでも作れる方法を見つけて作らないと。ゴムの木なんてあるかどうかも分からない。動物の皮か、わらじみたいに植物から編むか。
「分かった。借りる」
 ネウス君が靴を履いたのを確認して、再び森の中を進んでいく。
「あれ?」
 ネウス君が首を傾げた。
「どうしたの?」
「うん、なんか足が軽く感じる」
 へぇ。もしかして魔法の靴だったり?
「そういえばさっき木に登ったときも、いつもよりも楽に登れたような?」
 と、手の平を見ていた。
 ああ、そうか。見た目、なんかつやつや美少年になってきてるけれど、体力的にもちょっと向上してるのかもね。ローポーションとかポーションとかなんかそういう者のおかげ?
 ネウスが私の顔を見た。目が輝いてる。
「もしかして、これって、精霊様のおかげ?」
 はぁ?
 ディラの?
「お供えしたから、少しだけ加護がもらえたとか」
 にこっと笑っているネウスには悪いけれど、呪われるというか、力を奪われるようなことがあっても、成仏したのち守護霊にでもならない限り、そんな力はディラにはない。
 精霊なんて嘘だからね。ただの幽霊。この世に未練たっぷりの……。
 自分で移動すらできなくて、泣き虫で……。
 ちょっと後ろを振り返る。
 今頃、ディラ泣いてるかな……。
 歩くこと30分ほど。その間に、食べられるかどうか分からない木の実を他に2つほど見つけた。
 いくつか取って収納鞄に入れる。
「今日は、これくらいにしようか」
 歩いて30分の距離。見つけた木の実が食べられるものであれば、往復で1時間の距離ならば子供でも取りに来られるだろう。
 まぁ、当分は危険な獣が出ないとも限らないし、私が行くようにしないと。
 水場は見つからなかった。だけれど、見つかるまでとあまり欲張ってはだめ。いくら目印をつけて進んでいると言っても、絶対ではないのだから。
 木の根に足を取られてふらつく。
 ほらね、転んで足を痛めるとかそういう可能性だってあるんだから……。

「ユキっ!」
 ネウスが私の体を抱き留めた。
 ぎゅっと後ろから抱きしめられるような形になる。
「大丈夫?」
「あ、うん……」
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