魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
「あ、また出た。ユキ、光ると出てくる」
 そうか。光ると何かドロップするのか。
「それから、なんか音がするんだけど……」
 ピロローンっていう電子音のことだよね。
 さっきから私も何回か聞こえてるんだよね。
「あ、雨やんだ!」
 ネウス君の声に洞窟の入り口に視線を向けると、外から光が差し込んできた。
「あ、変なのが洞窟の奥に戻っていく」
 スライム(仮)たちが、光を避けるように洞窟の奥へと逃げていった。
 水まんじゅうみたいな見た目だし。水分多そうな感じだし。光に当たると干からびちゃうのかな?
「そうか、日が当たらないところがあいつらの住処なんだ。だから今まで見たことなかったんだ。すげーよ、ユキ、見てくれ、これ」
 ディラが足元にたまったローポーションを拾い集め始めた。
「確かに、なんかすごいね……」
 ほんの5分か10分か。ただ、ぴょこぴょこ体当たりしてくるスライムを見てただけなのに、ローポーションがごっそり。20本近くある。
「今収納した分のローポーションよ出てこい」
 試しに自動収納されたローポーションを出してみた。やっぱり、20本近くある。
 つまり、全部で40本近く。

「これだけ取れるなら……」
 ディラからもらった収納鞄に頼らなくても、子供たちはローポーションを飲むことができる。
「持って帰りましょう」
 いくら収納鞄の中に何万本もあるといったって、使うだけならいつかなくなる。入手方法がない物に頼っては……頼りきりになるのは駄目だから。
 だけれど、スライムはどれくらいいるのだろう。全部やっつけちゃったらいなくなるんなら、すぐになくなってしまうものなら駄目だ。
 数に限りがあるのなら、乱獲しないように数を絞る必要がある。……本来ならいろいろ試して確認するべきかもしれないけれど、とりあえず”スライム博士”に聞いてみようか。
 ローポーション40本を抱えるのは流石に分けても大変だった。重たいとかでなく、バラバラなので落とす落とす。
 というわけで、収納鞄に入れて運ぶ。
「運搬系の魔法が使えないから……」
 収納鞄にローポーションを入れるのを見てネウス君がつぶやいた。
 また、魔法が使えないからか!
 運搬系の魔法って何?……ふと、王都で私を乗せた板っ切れを思い出した。
 魔法の絨毯みたいだと少し喜んでしまったけれど……。
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