魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 マナナの実を取りに子供たちも通うなら、目印だけじゃだめだよね。けものみち程度には木の枝を打ち払って、はだしの子供たちが危険なく歩ける程度にはしておきたい。
『うわー、ユキ、なんでネウスばっかり、僕も行きたい、僕もつれてって、僕もいくぅ~』
 あー、うるさいってば。
「ネウスくん、これで道を切り開いていきましょう。目印はもう少し増やして。今日は、マナナの実がなっていたところまで道を作りたい」
 ディラの剣をネウス君に手渡す。
『うわーい、連れて行ってもらえる!』
 子供か!犬か!
「使ってもいいの?」
『バンバン使ってくれ!』
 ネウス君が剣を見た。
「うん、枝を打ち払うのに何かあったほうがいいよね?」
 ネウス君が剣の柄を持った。
「うぐ、ぐぐ、引き抜けないっ」
 そして、剣を鞘から引き抜こうとして力を入れたけれど……、抜けなかった。
『えええーっ、なんで?あの時は抜けたのにぃ……えええ、どういうこと?』
 あの時は抜けたって、300年前の話かしらね?
 300年も風雨にさらされて中でどうなっているのかな。剣……。そうか。ダメか……。
「収納鞄にえーっと、木の枝を打ち払う道具」
 と、アバウトな言葉で最適な品が出てくる。なんだろう、鉈っぽいものが出てきた。
「ネウス君、これ持って」
 ネウス君がシュンッと肩を落として剣を近くの木に立てかけた。
「ごめん……情けないよな……」
「気にしない。悪いのはネウス君じゃなくて、あの剣の方じゃない?古いやつだし」
 私の言葉に、ディラがシュンっと肩を落としている。慰めた方がいいかな?
『悪いのは剣じゃないよ、抜けないのは、ネウスが資格がないからだよ』
 失礼なこと言ってるぞ。慰める必要ないですね。はい。

 では、粛々と進めますかね。
「えーっと、地面を均す道具……」
 またまたアバウトな指示で、今度は鍬みたいなものが出てきた。
「よし、行こう!ネウス君」
 道を作る。
 ネウス君が枝を打ち払う。私が地面を鳴らす。草はぽいぽいっと。
 突き出て危険な木の根やら尖った石やらが無いように。
 草で隠れて変な物踏まないように。
「よっ、こら、しょっと」
 鍬を振り下ろす。
 土を掘り返し草をどけて、小さな切り株は掘り起こして道となる場所の横にぽいっと。
 って、なんかすごく楽に進むんだけど。
< 82 / 132 >

この作品をシェア

pagetop