魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 ノームおじいさんの厚意は嬉しいけれど、首を横に振る。
「他の子たちにも永遠に力を貸してくださるわけじゃないですよね?私が生きている間だけですよね?私がいなくなれば、魔法で簡単にできていたことを、皆はできなくなります。……つまり、魔力回復薬も、誰も作れなくなる」
 ノームおじいちゃんがショックを受けた顔を見せる。
『じゃ、ユキが死んだら別の者と契約して……』
「100年に1度くらいしか、ノームさんたち精霊の姿を見える人は現れないんですよね?」
 うぐぐとノームおじいちゃんが口をつぐむ。
「だから、魔法や精霊の力を借りた生き方じゃなくて、誰でもできるやり方で作りたいんです」
『わ、分かった』
「じゃぁ、契約はなしということで、指輪返しますね」
 と、はずそうとしてもやっぱり外れない。
『ま、魔法は使わなくてもいいから、持っていてくれ、な?ワシと連絡が取れるんじゃ、な?』
 ……まさか……。
「魔力回復薬ができたら連絡をくれということですか?」
 てへっ。って顔をする小さなおじいちゃん。
 かわいく見えないこともないから困ったものだ。
『た、ただでとは言わんぞ?ワシにできることならなんだってする。ああ、そうじゃ、マナナの木がある場所を探っておいてやろうか?ワシなら大地に気配を巡らせればどこに何の木があるかはすぐにわかるぞ』
 あ、それは便利かも。

 1本の木から2樽分の実が収穫できたでしょ。多分実の半分くらいの量のワインもどきができると思うから、1本の木で樽1個分。1年1リットルずつ一人消費すると30樽分くらい欲しいところだ。
 木の場所は覚えておけば私がいなくなった後も皆が覚えていれば利用できるから、あり。
「あんまり遠くだと取りにいけないので、ここから近い位置にあれば教えてください」
『うむ!任せておけ!そうじゃ、その辺みたいに土をならしておいてやろう』
 道を作ってくれるっていうこと?
 道なら残る。私がいなくなった後も誰もがずっと使える物だ。
「ありがとうございます」
 素直にお礼を言うと、ノームおじいちゃんは嬉しそうにはにかみながら帽子をかぶりなおした。
「ネウス君、じゃぁ、さっそく魔力回復薬を作るために村に戻ろう、収納」
 収納鞄に樽2つを収納する。
「誰と話してたんだ?」
 ネウス君は黙って私を見ていたけれどやはり気になっていたようだ。
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