魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 精霊だか何だか知らないけど、私は喪女とはいえ、女だよ。独身の若い……いや、まだ若い部類に何とか入る、女だよ。男性に心読まれて平気なはずないじゃないっ!
『あ、うん、そうじゃな、確かにそうかもしれんの。すまんかった。ワシの配慮が足りんかった……』
 じゃぁ!指輪はずしてくれるんですね!
『いや、それは無理じゃ。契約しちゃったからの。ユキが死ぬまで一緒じゃ』
 ……。
 ……。そういういろんな契約における大切なことを説明せずに契約するのって、日本じゃ違法。クーリングオフできるどころか、詐欺だよ、詐欺。
『よくわからない単語がいっぱいじゃが、なんか、ワシ、悪者にされてる気がするんじゃ。おかしい、太古の昔から、人間は精霊の力を欲し、精霊との契約を夢見、精霊と契約し力を得たものは望むものはすべて手に入れることができ、国を興すも滅ぼすも思いのまま、喜びこそすれ、嫌がるなど……聞いたことも……』
 望むものはすべて手に入れることができ……ねぇ。じゃぁ、指輪をはずすことを望んだら叶うんじゃないの?
『ぐっ、そ、それは、手に入れるんじゃなくて、て、手放すというんじゃ……』
 最悪、指を落とすしか……。
『ま、待て、待つんじゃ、早まるんじゃない、ある、あるんじゃ、指輪の力を封じる方法が、指輪の石に手を当てて【封】と言えばよいのじゃ。解放するときは【開】じゃ」
 なんだ。そんな簡単にできるならもっと早く教えてくれたっていいじゃない。
『いや、これは、精霊も契約した人間によほどのことがない限り教えたりせんのじゃ。なぜなら、他の精霊と契約している人間の指輪の力も封じることができてしまうからの……』
 めったに契約する人間がいないのに、何人も精霊の指輪してる人がいる可能性はない気がする。まぁいいや。皆が頑張っているのに私だけこんなところで無駄話してる場合じゃないよね。
『む、無駄話じゃないじゃろ!』
「封」
『……』
 よし。静かになった。
 みんなのところに戻る。
「たらいに入れたのはつぶれたよ、どうするんだ?」
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