魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
『モンスターたちは、ダンジョンの中よりも数倍も強く、数も多かった。冒険者たち、そして各国の精鋭たちが必死にモンスターと戦いはしたけれど、次第に人類は魔王の勢力に押され……。各国が協力してモンスターではなく魔王討伐を計画した』
「ああ、その荒野が最終決戦の場所って言ってたけれど……。300年も草木も生えない不毛の土地になってしまうなんて、よほどすさまじい戦いだったのね……。きっと、多くの犠牲者も出たでしょう」
 たくさんの姿も見えない力の弱い霊の存在を感じた。
『ああ。たくさんの仲間が死んだ』
 ディラもね。
『魔王が死に、僕があそこに立つようになってから300年。現れるモンスターの数は徐々に減っていったけれど、ダンジョンに戻ったんだね。元通りになったんだ』
 ああ、なるほど。もとに戻ったってそういうことか。魔王が現れる前にってことね。
 声なき霊たちも、あなたたちが命懸けで戦ったおかげで、もとに戻ったんだと教えてあげれば成仏していくだろうか。うーん。しかし、荒野は東京ドームいくつ分なんて表現できない、歩いて2日ってレベルで広いし、私の力じゃ無理だよね。せめて草木が生え、人々の笑い声が届くようになれば……。
『なのに、なんで街の防御壁はそのままで、外に出てこないんだろう?』
 ディラが首を傾げた。
「あの防御壁って、中から外に出ちゃうと、もう中に戻れないから出てこないんじゃない?」
『じゃぁ、行き来できるように装置を解除すればいいのに。もともと賢者が街にモンスターが入り込まないようにと設置したんだし。モンスターがいなくなったんだから……って、それももしかして知らないのか?』
 知らないのかな?
 いくら何でも、街の外の様子がどうなっているのか誰かに調べさせたりするんじゃない?
 あれ?
 そもそも、私、外に捨てられるとき「モンスターの餌にしてやれ」とか「モンスターにせいぜい気をつけろよ、まぁ魔法も使えないんじゃ気を付けようがないかwww」みたいな馬鹿にされ方一度もされてなかったよね?
 ひどい言葉を何人からも投げつけられたんだもの。さすがに、一人くらい口にしてもよかったんじゃない?
 それを言わなかったってことは、モンスターがいないのを知っている?
 それに、おばばは森の中は「獣」が出るから危険だと言っていた。
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