魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 ……まぁ、そうだよね。そりゃ、自分たちが命懸けで救った人たちの子孫が幸せなら嬉しいよね。
 けどさ。魔力ゼロに対する差別はひどくない?
 あれだけ豊かな生活ができるなら、少し食べ物与えて養うくらいできそうなものじゃない?国が豊かで争いがないなら、福祉を充実させていくべきじゃない?
 そりゃ完全に差別はなくならないかもしれないけれど……それでも、今のような「死んだってかまわない」というような扱いはいくら何でもひどい。
 と、思ったけれども。
 子供たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
 十分な食事はとれてないけれど、子供たちはみないい子だ。優しい。誰を恨むとか憎むとかもなく、まっすぐに育っている。
 外で暮らした方が、差別され続けて、劣等感を受け付けられ、身を縮めて生きていくよりも幸せなのかもしれない。
 食べ物が十分手に入るようになれば、何も問題ないよね?
 ……どうやらダンジョンでスライムを倒せばローポーションは手に入るみたいだし。
 まずいけれど、水分と栄養はそれである程度補える。マナナの実でワインもどきができれば、美味しい水分補給もできるようになる。
 もちろん、マナナのほかに食べられる実も見つかったし。ヤムヤムとレモだっけ。
 レモはすっぱいって言ってたけれどヤムヤムはどうだろう。ドライフルーツにしておけば1年中食べられるよね。どれくらい収穫できるか分からないけれど。
 そう、ノームおじいちゃんに近くで生えている場所を教えてもらおう。
 今度森の中に入るときはディラも連れて行って、食べられるものを探すのを手伝ってもらおう。ダンジョンまでの道のりでは危険そうな獣も出なかったし。
 もし出ても、今ならノームおじいちゃんに助けを求められるよね。
 そのあと、危険な獣に関しては、対策を考えればいい。
 塀やら堀やら獣の嫌う匂いだとか、なんかあるはずだ。
「ところで、ディラ、収納鞄の中にまずい物入ってる?」
『へ?』

「やっと、実を半分つぶせたよ」
 すっかり日が傾いたころ、ネウスが空になった樽を指さす。
「あっちはまだ手つかずだ」
 樽2つに実があったから、半分なわけだ。
 つぶしたものを入れた樽はちょこっと量が減って7割くらい樽の中が埋まっている。
「さぁ、ご飯にしましょう。続きは明日」
 私の言葉に、ミーニャちゃんがはっとする。
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