契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 着替えた美冬がウォークインクローゼットの中にある鏡で背中の方を見てみると、いわゆるヴィーナスのえくぼと呼ばれる腰の下の臀部辺りのくぼみがくっきり見えていて、割れ目がギリギリ見えないくらい。

 それにしても相当に……。
 エロくない?

 それに開いている脇部分からは胸の横が微妙に見えているような見えていないような。

「美冬? どれだけ待たせ……」
「やあんっ!」
 心の準備がまだできていなかったのに!

 慌てて正面を隠すものの、背後の鏡で後ろ姿はばっちり槙野には見えていて。

「えっろ……」
 嬉しそうな口元を槙野が押さえている。

「なんなのよ! その嬉しそうな顔!」
「嬉しいに決まってるだろ。大福のやついい仕事するな」

「大福じゃないってば。今はすごい和風美人なのよ」
「美人だろうが俺には大福。お前が一番可愛い。何その格好、ヤバすぎ」

 ウォークインクローゼットの中まで入ってきてしまった槙野に美冬は鏡の前まで追い詰められる。

「あのさあ、後ろの鏡で丸見え」
「いやっ……」
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