契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「もし、回れなかったら、今度二人で行きましょう」
「そうだな」

 美冬の手からワインを受け取り、槙野はワインオープナーを使って器用にボトルを開ける。

 仕事から帰ってきて、こんな風に二人で食事をしながら、自宅でワインを飲む楽しみは最近になって覚えたものだ。

 美冬も忙しいので、食卓に出るものの全てが手作りという訳ではないけれど、それでも今日のボンゴレビアンコは以前美冬が作ってくれてとても美味しかったので、槙野がリクエストしたものだ。

『そんなものでいいの?』
そう美冬は言ったけれど、シンプルな味付けゆえにとても美味しい。

 実は美冬とは食の好みもとても合うので槙野には美冬が作ってくれたものは大概美味しいと感じる。
 それは美冬にも同じことだった。

 槙野はキッチンに立つことも厭わない。朝でも休日でも気づいたら何か作ってくれることも多い。

 それでも、忙しかったら外食でもデリバリーでも構わない、と言ってくれる人だ。
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