契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 シャワーを浴びた美冬はベッドで大の字になってぐったりしている。
「もう、指一本動かないわ」

 美冬の後にシャワーを浴びたバスローブ姿の槙野がそんな美冬の横に腰をかけた。
 そして、美冬の髪をそっと撫でる。

「頑張ったな」
「それにとんでもないサプライズとかあったし」

「美冬の会社のメンバーはいい奴らが多いな。お前が一生懸命になるのも分かるよ」
「それは自慢なのよ」

 そう言う美冬に槙野がゆっくりと覆い被さる。
「ふぅん? 俺は自慢じゃねーのかよ」

 拗ねてるっ!可愛いわ。
 美冬はぎゅっと槙野を抱きしめた。
「自慢の旦那様よ」

 槙野は一瞬目を見開いて口元に手を当てている。珍しく顔も赤いようだ。

「どうしたの?」
「いや……美冬のデレが貴重過ぎて、その、直撃した……」
「何言ってるんだか」

「なあ、明日は休みだろう?」
 機嫌の良い様子の槙野の手が髪から頬へと移っていった。その長い指が美冬の顎をくすぐる。
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