契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「えーっと、休み……かなぁ?」
 嫌な予感の美冬はキラキラさせている槙野の目からそうっと目線を外して曖昧に返事をした。

「じゃあ、気にしなくていいな」
 なにを?なにを気にしないの!?
 こっちは気になってしよーがないんだけど!

「思う存分抱くからって話」
 にっ、と槙野は嬉しそうに笑う。

──くっ……食われるっ!

「あの……お手柔らかにお願いします」
「お手柔らかにしてるんだがなぁ」
 どこが!?

 美冬はつんっと顔を上げ、まっすぐに槙野を見た。

「あの契約書って、1年更新なのよね?」
「そうだな」
 槙野が面白そうな顔をしている。

「文言を書き加えるとか……」
「へーえ? どんな?」

「えっちは12時まで!」「妻は夫を拒まない」
 同時に発したセリフだ。

 瞬時に槙野の目が据わった。
「12時までなんて足りるわけないだろう!」
「拒まないって怖すぎ。ドン引きよ、祐輔」
 本当に引いたようで美冬の眉間にシワが寄っていた。
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