そんなの関係ないよ!
「鎌倉と言えば、大仏様だよね。鶴岡八幡宮の近くなの?」

名所って、固まってるのかな、と思いつつ聞いた。

「んっと、歩いて行くとハイキングコースを通って1時間くらいだよ。江ノ電で長谷まで行くとすぐだけど・・・亜里沙、足元がしっかりしてないところもあるけど、ハイキング、好き?」

ハイキングはパパとママと時々行っている。森林浴をするのもいいかもしれない。

「好き、好き!!歩いて行こう。ウォーキングシューズに歩きやすい格好にするわ」

「途中で、銭洗弁天があるから、小銭を洗おう。2人とも、金運上がっちゃうぞ~!!で、鎌倉大仏を見たあとにお昼にしよっか。ハンバーグが美味い店が近くにあるらしい」

「ハンバーグ、大好き!」

「そのあとは・・・長谷寺に行ってみよっか。長谷寺は花の寺、って言われてて、紫陽花が有名だけど春は花盛りらしいよ」

「可愛い花が見られるといいな」

「亜里沙の方が可愛いよ」

ボッ、と赤くなってしまう。亨くんからの『可愛い』には照れる。

「もぅっ。写真、いっぱい撮ろうね。ゆっくりして、電車で鎌倉に戻る?」

「そうだな。で、小町通りでもう一度、食べ歩きしたら、きっともう時間だな」

私の門限、5時だもんね。彼女が亨君と同じ年だったら、もうすこしゆっくりできかもしれないのに・・・なんか・・・しゅんとしていたら、亨くんが私を抱き寄せて、

「つまらないことで、落ち込まないの。亜里沙と行く鎌倉だから、楽しみなんだぞ」

と笑顔で言った。そうだよね、2人のデートだもんね。

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