天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「もしかして、れいなが……?」

 安本に視線が集まると、彼女は悪びれもせずにっこりと笑った。

「私が電話をかけましたよ」
「なんでそんなことを!」
「だって、そうすれば手っ取り早く彼女と別れられるじゃないですか。志田さんもずーっと付き合ってる抱き飽きた女より、若くてかわいい私の方がいいですよね?」
「もしかして、俺をはめたのか?」
「はめたとか、意味わかんないですけど」
「俺は里帆と別れるつもりなんてなかったのに、君がステイ先のホテルで『ずっと好きだった。一度抱いてくれたらそれで諦める』って泣きながらすがるから、断り切れずに仕方なく……」

 志田の話を聞いて、それまで笑顔だった安本の表情が変わる。

「仕方なくって、ひどい。あのとき志田さんは私のことをかわいいって何度も言ってくれたじゃないですか!」
「そんなの、ベッドの中だけの嘘に決まってるだろ! こんな性格の悪い女だって知ってたら、抱いたりしなかった」

 そう言われた安本が黙り込む。
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