天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「そ、そんなことが起こらないように、たくさんの人が働いているんだから」

 尚久の言葉に、動揺して少し声が震えた。

「だけど、避けられないトラブルもある。今のまま自分の気持ちを抑え続けて、万が一矢崎機長になにかあったら、お前絶対後悔するぞ」
「縁起でもないこと、言わないで」
「悪い。でもパイロットになったからには、みんなそういう覚悟を持って空を飛んでいると思う」

 尚久の真剣な言葉に、飛行機を操縦する翔さんの横顔を思い出して胸が締めつけられた。

「それに、矢崎機長は本当に信頼できる人だと思う」

 私はうつむきながらうなずいた。

「わかってる」

 そんなこと、誰よりもわかってる。

「そっか。お節介なこと言って悪かったな」

 空気を切り替えるようにそう言った尚久に、私も顔を上げた。

「ううん。話ができてよかった」

 笑いながら立ち上がると、「ちなみに」と付け加えられた。

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