天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 彼のプライベートな空間に足を踏み入れているんだと思うと、なんだか緊張してしまう。

 2LDKの部屋は、翔さんらしく落ち着いた雰囲気だった。

 インテリアはシンプルだけど、洗練されたデザインのもので統一されている。
 でも、全体的に物がなく少しさみしい印象だ。

「つまらない部屋だってがっかりしたか?」

 そう問われ、慌てて首を横に振る。

「いえ。モデルハウスみたいに素敵な部屋だなと思ってました」
「生活感がないだろ。フライトで数日部屋を開けることが多いから、植物なんかは面倒が見切れないし、掃除が面倒であまり物を置かないようにしてる」
「なるほど」

 うなずきながら部屋を見回す。

 彼の言う通り、無駄なものはほとんどなかった。
 なんとなくさみしく感じたのはそのせいかもしれない。

 ちらりと見えた対面式のキッチンは、使った形跡がなく新品同様だった。
 調味料はもちろん調理器具もなさそうだ。

「いつもは外食ばかりなんですか?」

 私の問いかけに翔さんはうなずく。

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