天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 翔さんは私の潤んだ目元を指で拭い、そしてささやいてくれた。

「里帆、好きだよ。愛してる」

 その優しい声に喜びで体が震え、また熱い涙が頬を伝った。







 目が覚めると、枕に頬杖をついた翔さんがこちらを見ていた。

 まだ寝ぼけている私はゆっくりと瞬きをする。

 あれ、どうして翔さんが私のベッドに……?

 一瞬ここがどこかわからなくて混乱する。

 視線を動かし部屋の中を見る。シンプルで物の少ない寝室だった。

 あるのは私たちが寝ている大きなベッドと、作り付けのクローゼットと、フロアライトくらい。

 そうか。
 ここは私の部屋ではなく、翔さんのベッドルームだ。

 気づくと同時に昨日の記憶が戻ってきた。

 悪天候の中、祈るような気持ちで翔さんの操縦する機体を見守っていたこと。
 滑走路にいる彼に抱き着き愛を伝えたこと。
 そして翔さんの部屋で何度も抱かれたこと。

 思い出すだけで、頬がじわじわと熱くなる。

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