天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「パリで里帆と一緒に過ごした時間を夢に見て、幸せな気持ちで目を覚ますとこの部屋でひとりきりだった。隣に里帆がいないんだと気づいて肩を落として始まる一日を繰り返していたから、これも夢だったらどうしようと怖かった」
「翔さん……」

 いつも余裕と自信に満ちている彼がそんなことを思っていたなんて……。

「これが夢じゃなくてよかった」

 翔さんは手を伸ばし、私の頬にそっと触れた。

「夢じゃないですよ」

 長い指が確かめるように動き、私の額や目じりや輪郭をゆっくりとなぞる。
 耳たぶを優しくなでられくすぐったくて笑う私を、翔さんは愛おしそうに見つめていた。

「本当に、里帆が俺のものになったんだな」
「そうです。私の心も体も全部、翔さんのものです」

 そう言って、大きな手に頬ずりする。

「大好きです」とささやくと、後頭部を包まれ引き寄せられた。

「俺も、愛してる」

 額を合わせ見つめ合う。
 自然と笑みがこぼれて、ふたりでくすくすと笑った。
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