天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「じゃあ、今日はめいっぱいパリを楽しんでもらおうかな」
そう言われ、私は目を瞬かせる。
「え?」
ぽかんとする私を見て、翔さんが唇の端を持ち上げた。
「だから、今日は元カレのことなんて忘れて、俺との時間を楽しんでくれたらそれでいい」
「そんなことでいいんですか?」
思わず拍子抜けしてしまう。
「もっと無理難題を言われるかと思いました」
「俺にとっては、隣で里帆が笑ってくれることが一番贅沢な願いだよ」
艶のある声でささやかれた。心拍数が一気に上がる。
私はつないでいた手を離し、慌てて彼から距離を取った。
「どうした?」
「どうしたって……。そんなセリフを耳元でささやかないでください」
私がそう言うと、翔さんがくすりと笑う。
「なんだ。照れてるのか」
甘い視線を向けられ、頬が熱くなる。
「て、照れてません!」
必死に否定したけれど、きっと嘘だってことはバレバレだ。