天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~

「里帆、俺はずっと前からきみのことが好きだった」

 真剣なその声に、心臓が大きく跳ねた。
 けれど、冷静になれと必死に自分に言い聞かせる。

「さっき出会ったばかりなのにずっと好きだったなんて、嘘に決まってるじゃないですか。騙されませんよ」

 私が思いきり顔をしかめると、それまで真剣だった翔さんの視線がやわらかく緩んだ。

「そうやって怒る顔もかわいいな」
「だから、もういいですってば」
「ひとりで悲しそうな顔をしてセーヌ川を眺めていたときよりも、ずっといいよ」

 優しい口調で言われ、「あ……」と声が漏れた。

 さっきまであんなに暗い気持ちでいたのに、いつの間にか尚久のことを忘れていた。

 怒ったり照れたり笑ったり、自然と会話を楽しんでいた。

 きっと、翔さんはからかうふりをして、落ち込む私の気持ちを軽くしてくれたんだ。

 優しさに気づいて、胸が温かくなる。

「……あの、ありがとうございます」


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