天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
この人、本当にたちが悪い!
と心の中で叫び声をあげた。
「だから翔さん、からかわないでください」
「からかってないよ。ほかに欲しいものは? さっき革製品も熱心に見てたよな」
翔さんはそう言って店内を見回す。
このままじゃ私が興味を持ったものすべて買おうとするんじゃないかと焦りながら首を横に振った。
「な、ないです」
「本当に?」
「本当に、そのチャームだけで」
必死にうなずいた私を見て、翔さんは「了解」と笑う。
そんなやりとりをしているうちに、翔さんは支払いを済ませてしまった。
「あの、ありがとうございました。大切にします」
店を出た私がお礼を言うと、翔さんは優しくうなずいてくれた。
その表情を見ていると、胸の辺りがあたたかくなる。
出会ってからずっと翔さんの強引さに振り回されて動揺してばかりなのに、なぜか気持ちが明るくなる。
「少し歩いて、腹は減った?」