天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
そう問われ、空腹になっていることに気づく。
うなずくとまた手をつながれた。
「じゃあカフェに行こうか」
すぐそばにあるカフェに向かう。
白いパラソルが置かれたテラス席に案内された。
ガラス張りの天井や壁に施されたアーチ状の装飾に目を奪われているうちに、野菜がたっぷり使われたプレートが運ばれてきた。
「おいしい」
ひと口食べてため息が漏れる。
「食べ物をおいしいと感じたのは、久しぶりの気がします」
尚久と別れてからずっと、食事を楽しむ心の余裕なんてなかった。
「そうか。今まで食欲がなかったと言っていたから心配していたけど、おいしいと感じたならよかった」
フォークを進める私を見て、翔さんが安心したように言う。
心配してくれていたんだ。
申し訳なさと嬉しい気持ちが同時に込み上げる。
「里帆は、酒は飲める?」
「はい。人並みには」
「じゃあ、夜はワインも楽しめそうだな」