天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
そう言われ、驚いて手を止めた。
「え、夜まで一緒にいてくれるんですか?」
なんの予定もないひとり旅の私とは違って、お仕事でフランスに来ている翔さんは忙しいんじゃ……。
私のために時間を割いてもらうのは申し訳ないし、迷惑になるかもしれない。
戸惑う私を翔さんがいたずらっぽい表情で睨んだ。
「今日はめいっぱいパリを楽しむって約束だろ」
その言葉に目を瞬かせる。
そうだ。私と翔さんは賭けをしたんだっけ。
なんで彼があんな条件を出したのか不思議だったけれど、もしかしたら私に遠慮させないための、気遣いだったのかもしれない。
翔さんの優しさに気づいて、少し泣きそうになってしまった。
「そうでした。私は翔さんの言うことを聞かないといけないんですよね」
私は目元を拭ってから、そう言って笑った。