天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
翔さんの提案に「着替えるって……」とつぶやく。
もしかして、ドレスコードがあるようなお店で食事をするつもりなのかな。
ちょっと値段が心配だけど、せっかくフランスまで来たんだからそんな贅沢もいいかもしれない。
今日は一日翔さんに楽しませてもらったから、食事代は私が出したいな。
そんなことを考えながら、旅行に持ってきた洋服を思い出す。
落ち着いた色のシンプルなワンピースがあるから、それを着れば大丈夫だろう。
「じゃあ、一度それぞれホテルに戻って、着替えてからまた待ち合わせしましょうか」
そう言った私に、翔さんは首を横に振る。
「いや、面倒だから一式買おう」
「え? 一式?」
きょとんとしているうちに翔さんはタクシーをつかまえた。
連れてこられたのは、有名な高級ブランドの本店。
上品できらびやかな入り口を前に、私は青ざめる。
ここで服を買ったら、いったいいくらになるんだろう。