天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~

 どうしよう。かっこよすぎる。
 見ているだけでドキドキしてしまう。

 私が思わず階段の途中で立ち止まると、翔さんはクセのある黒髪をかきあげまじまじとこちらを見つめた。

 その表情を見て、不安になる。

 私がいくらドレスを着ておめかししても、こんな素敵な彼の隣に並ぶなんて、不釣り合いでは……。

 どうしていいのかわからず戸惑っていると、翔さんが「里帆」と私の名前を呼んだ。

「おいで。ドレス姿の里帆を近くで見たい」

 甘い声で言われ、緊張しながら階段を下りる。
 私が彼の前まで来ると、翔さんはため息をこぼした。

「ドレス姿も綺麗だな。すごく似合ってる」

 ストレートな褒め言葉に、胸の内側がくすぐったくて落ち着かなくなる。

 どうしよう。
 照れくさくて翔さんの顔を直視できない。

「あの、翔さんも、すごく素敵です」

 うつむきながら言うと、「ありがとう」と彼が笑う。


< 43 / 238 >

この作品をシェア

pagetop