天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~


 どうしていいのかわからなくて戸惑ってしまう。
 動揺で瞳を潤ませると、翔さんが私のことをまっすぐに見つめる。

「そんな表情を男に見せたら、勘違いされるぞ」

 警告するようなするどい視線を向けられ、私は首を横に振った。

「私も、綺麗な女性たちが翔さんに見とれているのに気づいて、なぜか胸の辺りがもやもやしてしまって。だから……」

 言葉に詰まってうつむくと、翔さんが私に近づいた。

「里帆も俺と同じ気持ちだって、うぬぼれてもいいか?」

 私のあごをすくい上げそう問う。
 誘うような表情が色っぽくて体温が上がる。

 ぎこちなくうなずくと、唇を塞がれた。
 それだけで気持ちよくて、「ん……」と短い吐息が漏れた。

 それが恥ずかしくて、思わず肩に力が入ってしまう。

 彼は喉の奥で小さく笑いながら、私の緊張を解くようにやわらかいキスを何度もしてくれる。


< 52 / 238 >

この作品をシェア

pagetop