天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 彼氏の浮気を知って落ち込んでいる私に気づいて、色々話を聞いてくれた。

 長期休暇をひとりきりで過ごしていたら絶対に病むから、無理にでも旅行に行った方がいいと勧めてくれたのも彼女だ。

 その前向きな明るさに励まされたのは事実だから、一方的に責める気にはなれなかった。

 ただ、ちょっと口が軽すぎるとは思うけど。

「大丈夫。怒ってないよ。みんなには言わないでって口止めしなかった私も悪いし」

 私がそう言うと、富永さんが笑顔になる。

「大好きな先輩の蒼井さんに嫌われなくてよかったぁ~」

 大袈裟に胸をなでおろす仕草をした。

 かわいくて愛嬌のある子はずるいなと思う。
 こんなふうに笑われたら、ついつい許してしまうじゃない。

 仕事を終え、ふたりで管制ルームをあとにして中央にあるエレベーターへと向かう。

「そうだ、蒼井さん。今度一緒に合コン行きません?」

 エレベーターを待っていると唐突に聞かれ、「合コン?」と瞬きをした。

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