こんなにも愛しているのに〜私はましろ
「こらぁ、お前ら何をしている!!」

担任の国松先生がやってきた。
あとで聞けば、西澤さんが先生に行ってくれと頼んだとういう。

俺は咄嗟に
4人組から携帯を奪って先生に見せた。

「この画像で、恐喝されています!もう100万円も払いました!!」

とぶちまけた。

あっけに取られた4人組は一瞬遅れて逃げ出したが、国語の先生とはいえ
ラガーマンだった先生の方がいち早く、4人組のうち2人を確保して
俺たちも一緒にミーティング室に連れて行かれた。

達はあの画像が先生の手に渡って、呆然としていた。
彼女たちは青くなって俯いていた。
俺は
もうこれしかないと思った。
恐喝のネタを晒して、これ以上あいつらの言いなりにはなれないと。

先生は
秘密裡に警察も呼んで、あいつらの学校の先生も呼び出して
話し合いを持った。

達の爺様が来たら、大変なことになるのは目に見えていたので、明日うちで
俺たちの保護者と、弁護士とで話し合おうということで連絡をつけてくれていた。
それまでは、何も言わないでくれとも、俺の両親に言ってくれたらしい。

校長も教頭も、目を白黒させていたが、国松先生がイニシアチブをとって
進めてくれた。

あいつらは勉強はできるが、充分に問題児で、今回のことは犯罪だから
逃げた2人も含め、警察の手を煩わせることになった。
もちろん、俺たちも事情聴取がある。

結局
我が家で行われた俺たち二人のことは、案の定激昂した爺様に達は
ステッキでめちゃくちゃに殴られ、先生と父親やみんなで、止めた。
俺は、父親からグーで頬にパンチを食らった。
両方の母親は泣くし、もう本当の意味での修羅場だった。
今後のことは双方の家の弁護士とも相談し、対応することになったが
国松先生は爺様に、これ以上達を折檻しないように、念を押してた。

みんなが帰ったあと、父親からは達ともう付き合うなと言われたが、
親友で、あんな爺様のところにいる達を見捨てられないと、言った。
兄貴も呼ばれて、父親からそんな大金を貸して、と叱られていたが、
それは何も考えずに、その場限りでことを済ませようとした、
達と陸都が悪いと言い
’金返せよ。’
と言って、帰って行った。

思いがけず西澤さんを、巻き込んでしまったこのことだが、彼女の咄嗟の判断で
俺たちは助かった。

翌日、
国松先生の前で西澤さんにも謝ったが、彼女からの視線が痛い日々が続いた。
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