冷徹ホテル王との政略結婚は溺愛のはじまりでした
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 そしてフライト当日、サンフランシスコを経由して、空の旅は約十二時間にも及んだ。

 国際空港に現地時間の夕方頃に着いて、ゲートを出ると、椿さんが迎えに来てくれていた。


「藍、こっちだ」


 多くの観光客の中で手を振る彼が見えて、スーツケースを引きながら駆け寄る。

 襟付きのシャツの上にジャケットを羽織った椿さんは、私の荷物を受け取ってくれた。


「ランコントルホテルのプレオープンはどうだった?」

「なんとか大きなトラブルもなく終えたよ。オープンに向けて良い確認になった」


 仕事をバッチリ終えた彼は、休暇を楽しむ気満々らしい。

 タクシーに乗って予約していたホテルに着くと、つい感嘆の声が漏れた。

 ホテルの前には音楽と光に彩られた大きな噴水があり、リゾート感満載だ。

 ロビーは人で溢れていて、天井まで伸びる植物が大きな花瓶に生けられていた。色彩豊かなベネチアンガラスの天井が美しい。

 VIP用のカウンターが別にあり、スマートにチェックインが出来る。

 すごい。ここに一週間泊まれるのね。

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