冷徹ホテル王との政略結婚は溺愛のはじまりでした


 なにを食べても美味しい。

 デザートは、デザート専門のコーナーから好きなだけ取って食べられるらしく、ついつい食べ過ぎてしまう。

 新婚旅行が始まったばかりだけど、すでに幸せいっぱいだ。

 そのとき、椿さんがプリンを口に運びながら私に問いかけた。


「藍。この後、行きたいところがあるんだけど、疲れていないか?」

「行きたいところ? 良いわよ。飛行機でぐっすり寝たせいか、時差ボケでまだ眠くないし。行き先はどこなの?」


 初日は移動で疲れているだろうから、観光は明日からゆっくり回る予定だった。

 時刻は午後十九時前で、今から遠出はしないだろうし、もしかしてカジノとか……?


「藍、水着を買ったんだろ?」

「えっ! ど、どうしてそれを」

「一昨日、樹と電話をしたときに新婚旅行の話もしてさ。美香から聞いた」


 予想外のセリフが返ってきて、びっくりする。

 通販で届いた水着は、試着もピッタリだった。

 椿さんとはプールの話をしていないけど、せっかく買ったし……とスーツケースに入れてきたのだ。ちゃんと、水着の上に着るビーチガウンも持ってきた。

 もしかして、プールに行くつもり?


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